我が家の琥珀は、2023年7月12日に猫白血病ウイルスの陽性と発症を診断され、診断後すぐに治療と闘病を開始。2024年2月17日に2度目の検査を行い、陰転が判明しました。
こちらではそんな琥珀の闘病の様子や、猫白血病の症状、治療法、治療費などについて書いていきます。
この記事が、今まさにこの恐ろしい病気と闘う猫ちゃんとそのご家族にとって、少しでも参考になり、また希望になればと願っています。
猫白血病とは
猫白血病ウイルス(FeLV)感染症は、猫白血病ウイルス(Feline Leukemia Virus:FelV)の感染によって引き起こされる病気です。リンパ腫などの腫瘍性疾患だけでなく、造血組織がある骨髄にまで感染が及ぶと、貧血や白血球減少などを生じ、これにともなって様々な症状が見られます。
感染猫の唾液、糞便、尿、鼻汁中に存在するウイルスによって伝播します。特に猫同士のケンカによる咬傷や舐め合いによって感染することがほとんどで、主に唾液を介して感染します。
猫白血病ウイルス感染症(FeLV) – オリーブペットクリニック (olive-sbk.com)
また、生後FeLV抗原陽性の母猫が子猫を舐めることによっても高率にウイルスが伝播します。
ウイルスに感染後、ウイルスを体内から排除できずに持続性ウイルス血症となった感染猫は、リンパ腫や白血病などをはじめとした様々な疾患を発症することがあり、その多くが致死的な経過をたどる予後不良の感染症です。
感染タイプは大きく3つに分けられ、それにより予後が大きく異なりますが、
子猫のうちに感染した場合は持続感染となり予後不良、
成猫になってから感染した場合は一過性感染、潜伏感染となり予後良好の傾向があります。
琥珀は保護猫なので正確な年齢は不明ですが、恐らく生後2~3カ月の頃保護され、その後は完全室内飼育。保護されて間もなく受けた検査ではエイズ・猫白血病共に陰性でしたが、これは母猫からの移行抗体の影響かと思われます。
移行抗体の影響は猫白血病の場合、生後4ヶ月頃まで続くそうです。
なのでそれ以前に受けた検査が仮に陰性でも、エイズと合わせて生後半年以降にもう一度血液検査を受けると安心ですね。
琥珀の場合は保護された時期や経緯を考えても母子感染、またはごく幼いうちに他の猫から感染したと思われ、初めての診察で
「持続感染からの発症」
と診断されました。
「正直、予後が悪いケースです。あまり長生きできないと思った方がいい」
そう告げられた時の、頭の奥が冷たく痺れるような感覚を今でも忘れる事が出来ません。
始まりは鼻の白さから
初めに違和感を覚えたのは、鼻の色でした。
琥珀は鼻も肉球も綺麗なピンク色で、こたつに入ったり運動したりした後は血色が良くなって色が濃くなります。
それが6月に入った辺りでしょうか。
ふと写真を見返した時に、琥珀の鼻の色が薄く、白っぽくなっている事に気が付きました。
「アレ?」と思って実際の琥珀を見てみると、やはり鼻が白いような気がします。
ピンクのお鼻がチャームポイントの子なのに…。
何となく嫌な予感がしました。
不安になって「猫 鼻白い」で検索すると、X(当時のTwitter)に「猫白血病だった飼い猫、末期には鼻も肉球も真っ白になっていた」と呟いていた方がいらっしゃいました。
その投稿に貼られていた写真が、目の前の琥珀の状態とよく似ていてゾッとしたのを覚えています。
「でも、琥珀はエイズも猫白血病も陰性だった…。外に出した事も逃げた事もないんだから、白血病の筈がない」
そう自分に言い聞かせてネットを調べ漁り、『猫は寝起きや寒い時に鼻が白くなる事がある。元気や食欲があれば一時的なものなので問題ない』と言う記事を見て安心しました。
その時の琥珀は本当に元気で食欲も普通にあり、鼻が白い以外に特に違和感を感じる症状は無かったのです。
ただ、今思えば、遊んでもすぐに横になる事が増えていたように思います。
当時の写真を見返すと、床にゴロンと横になっている写真が多いんです。
毎日当たり前のように一緒に過ごす中で、そう言った些細な変化を見逃してしまいました。
今でも、それを後悔しています。
6月中頃になると、琥珀の食欲が少しずつ落ち始めました。
ただ全く食べない訳ではなく、何となくいつもより食べない?程度だったので、味に飽きたのかと思い色々なフードを試してみました。
しかし食いつきが良くなる事は無く。
相変わらず鼻も白かったので、この頃から貧血を疑いネットで購入したペット用の鉄分サプリを飲ませ始めました。
ちょっと食欲が無いだけ。甘えてくるし遊んだりもする。夏バテしてるのかもしれない。
このサプリメントで様子を見よう。
当時は先住猫の茶子さんが病気らしい病気をした事が無かった事もあり、些細な事でも動物病院へ!と言う意識があまりありませんでした。
猫の容態がほんの数時間で驚く程急変する事も知りませんでした。
そうして様子を見続ける日々を送り、7月11日(火)の夜。サプリを飲んでも良くなっている様子が無かったので、次の土曜日に病院に行こうと決めました。
この時も琥珀は悪戯をしたりしていましたが、何となく顔に元気が無いのが分かります。
そして次の日の朝には容体が急激に悪くなり、フードを一切食べなくなりました。
チュールだけは舐めてくれましたが、いつも食いしん坊な琥珀がカリカリを1口も食べずに蹲っているなんてただ事ではありません。
これはもう一刻も様子を見ている場合ではないと、その日は会社を休んで朝一で病院へ向かいました。
病院での宣告
病院は以前茶子さんが真菌にかかった時に見て頂いた、近所で一番大きな病院にしました。
平均よりもややお高い料金設定ではありますが、設備が整っていて先生や看護師さんの人数も多く、何よりどの先生も優しく誠実な対応をして下さるので安心できたからです。
平日だったのでそれ程待つことなく診察してもらう事が出来ましたが、先生は琥珀の顔を見るなり
「あぁ…顔色悪いですね~…」
と呟きました。
ここ数日の琥珀の様子、保護猫である事、猫白血病とエイズは陰性だった事などを説明したところ、とりあえず血液検査をしてみましょう、との事。
20分ほどで検査が終わり、見せられた結果はかなり悪いものでした。
低値、低値、低値のオンパレード。
赤血球も白血球も足りず、輸血をするかどうかギリギリの酷い貧血です。
網赤血球数(RETIC)が少ないので、再生不良性貧血(骨髄で血液が作られなくなる貧血)が疑われました。
この時点でほとんど確信していたのか、先生が白血病とエイズの血液検査も行っており、結果は 【猫白血病 陽性】。
琥珀の経歴や血液検査の結果も合わせて考えると、「恐らく母子感染からの持続感染(キャリア)であり、今回発症したのでは」と言う診断でした。
猫白血病に感染した猫は貧血の他にも様々な関連疾患を発症しますが、中でも琥珀のような若い猫で確率が高いのが縦隔型リンパ腫になります。縦隔型リンパ腫の80%の猫がFeLV(猫白血病ウイルス感染症)陽性と言われている程です。
琥珀はこの時点で貧血以外の症状は出ていませんでしたが、念の為レントゲン、エコーも撮って縦隔型リンパ腫を始めとしたその他ガンなどの関連疾患が出ていないか検査してもらいました。
結果、肺や臓器には異常なし。
ここに来てようやくの嬉しい結果にホッと胸を撫で下ろしますが、猫白血病の現実はかなり厳しいものでした。
次回、 猫白血病闘病記②~治療開始から余命宣告~ へと続きます。
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